胃潰瘍で入院した話③

初めての救急車で初めての病院に入った。
救急対応も初めてだったが、意識はやたらハッキリしているので意思表示はしっかりしようと思っていた。
救急治療室の一角に入り、電極を付けられたり、体温と血圧を測られたりした。
私の意識がハッキリしている事から、何か書類を渡され「ここにサイン下さい」と言われる。
「内容は?読むの大変なんだけど、、、」と、ほぼ読む事は出来なかったけど、救急の治療についての書類のようだった。
仰向けに寝たままだったのでサインしたものの、かなり汚い字になってしまっていた。

担当の先生と看護師が紹介されたが、近眼でよく見えなかった。
内科の消化器系の先生らしかった。
簡潔な話し方をする先生で、最初から「胃潰瘍の可能性」と「輸血」についてコメントしていた。
私は「輸血ってヤダなー」と軽く答えいた。
先生「健康診断はしていますか?」「胃カメラは飲んだ事はありますか?」「貧血の症状があるんですか?」
そういったいくつもの質問に続いて
先生「PCR検査をしたことありますか?」
私「ないです」
アクリル板で顔のあたりを覆われ、素早く鼻の奥を綿棒で拭われた。
この検査の結果待ちの時間があったように思う。
感染症についてたくさんの質問を聞かれる。
検査の結果は陰性だった。★
もしこれが陽性だったら?と思うと恐ろしい。
後で確認してもこの検査がPCR検査だったのか?はよく分からなかった。
「救急用の検査」とか言っていたような気がする。
輸血について書かれたややこしい紙も2枚渡された。
「必要になるかも知れないので読んでおいて下さい。」
「頑張りますけど、ほぼ無理ですよ。」

胃潰瘍で入院した話②

点滴用と輸血用の針が左腕に刺され、即座に点滴が始まった。
輸血はまだ必要となっていなく、私も承認していないので針だけ準備された状態だ。
大量に吐血したと言っているのに、さらに採血で血を抜かれた。
心電図や血液中酸素濃度や血圧を測定する機械が付けられ、モニターに映し出された。
この時は「救急ってこうなのかー」と思っていたけど、後になって考えた時「こうしないと人が死にそうかどうか分からないんだな。西洋医学ってヤツは原始的だなぁ。」と思った。

この状況でも仕事の電話が鳴り、その日のやっていた作業関係者からだったので仕方なく出る。
私「ちょっと急な事情で私、現場を離れてしまっています」
関係者「あっなんか聞いていますよー。それでですね、ウンヌン~」
内容が内容だっため、作業メンバーに連絡を入れる。
メンバー「お前、病院からかけてるのか!?」
相手に驚かれ「大丈夫なのか、良かった良かった。こっちはなんとかなってる。無理すんな。」みたいなことを言われる。★
私「これこれこうして欲しいって連絡があった。」
メンバー「何をいまさら。それは出来ない。」
私「お願いだからぁああ!」
メンバー「チッ、なんとかしとくわ」★
私に連絡が入るのは無理があるなぁと強く思った。
後で聞くに本当になんとかしてくれていたので、良かった。

看護師「会社の人が来ています。会えませんけど、何か伝える事や渡すものはありますか?」
私「ええ!?誰???」
看護師「聞いてきます」→「社長でした」
私「えー?私が?社長に?何を伝える!?ん-???
私は明日の仕事は無理だと思います。
なので代わりの人を誰か手配して下さい。
あっ、明後日も?」
ちなみに、この次の日の作業を私に代わって社長がしたとだいぶ後になって聞いた。
「これってもしかして遺言を言う場面だったんだろうか?」と後になって思う。

血液検査の結果が出て、貧血ではあるけど緊急に輸血が必要なほどではないとなり、この時は輸血は免れる。
ただこれは次の日に大きく覆される事になる。
先生「胃の中の様子を診ないと分からないですが、最短でも一週間程度の入院になります。最初はずっと点滴で栄養を入れて、食事は数日後からのような感じになると思います。」
先生「体の血液の1/3ぐらいが出ているようですし、まだ出血していると思います。この後、胃カメラで処置します。」
私「ええっ入院!?妻に連絡していいですか?」
すぐに妻に「胃潰瘍、血が止まっていない、入院になる、必要な物はまた後で連絡」と電話して伝える。
「社長に伝言してた時に”入院”と言ってくれたら良かったのに」と少し思う。
そして「体の血液の1/3ぐらいが出てることなんてあるのか?こんなにも意識もハッキリしているのに。」と違和感を覚える。

救急対応は続く。

★印は今回の件で「運が良かった」と思ったところで、別で記事にまとめたいと思っていたが非常に面倒に思えてきた。

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