霊に守られて 宜保愛子の最後のメッセージ

先ずは、Yahoo!ブックスへのリンクを張っておく。
リンク張っといてこう言うのもなんだが、そこに書かれている「内容」はだいぶ違ってる。これは誤解を招くな。まずいなぁ。多分、これを書いた人は「プロローグ」部分しか読んでないな。そうなのだ、この本にはプロローグとして、遺族が書いた氏の思い出部分が最初の40Pぐらいにあるのだ。で、その後、氏の著作になるのだけど、その間にはかなり隔たりがあると言うか、全然違うものなのだ。この本を手にする人はこの点に、惑わされないで欲しい。
この本は、霊能力者として有名な氏の死後に出版されたもので、遺族によるプロローグ部分があり、そして本編は氏によるドキュメントタッチの小説の形を取っている。
咲(さき)と言う主人公の女性の数奇な人生をについて著していて、誰にでもすんなり読むことの出来る内容になっている。
誰にでもと言うのは、霊の存在を信じる信じないに関わらずと言う事だ。つまり、そのような事を外して数奇な運命を書き表したい、と言う意思が氏にもともとあり、生きている間はもっと直接的に霊について書く事を望まれ、それがが出来なかったのかと思われる。
私にとって久々だった小説に多少戸惑ったが、複雑な箇所は無く丁寧に一本道に語られる内容は、とても読みやすかった。また、霊がどうこうと言う記述は一切無いので、人に勧めやすいなとも思った。
内容は、戦前から戦中にかけての人々の暮らし、そしてその中での人の心の動きと縁を中心に書かれている。人の心と、戦中の過酷な暮らしについては、目を見張る記述もあり、生々しい。特に心無い人についての記述は、淡々と書かれているが、現実味があり「あーいるよね、こーいう人」と思わされた。そして、そのキャラは生きながらにして地獄に落ちたような状態になるが、これは人の生まれ持った性なのかも知れないなと思わされた。もともとそうだったのだと。でも、その周りの人はひたむきで、短気を起こさず、その人に振り回される事無く地道に生きていれば、さらに問題が拡散する事は無いと語っているようだった。
このように、この本には良く生きるための知恵が多く含まれいるようだった。より多くの人に読んで貰えたら、私も嬉しいと感じるような、そんな本だった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です