Princeの2004年のインタビュー記事を読んで


「ぼくはずっと昔に、満足し尽したんだよ」プリンス、2004年に自らを語ったインタビューが掲載
『rockin’on』2017年8月号より

先日のロッキンオンのPrinceの記事、2004年の彼のインタビューを読んで、ハッと思う事があった。それは記事に明確に書かれていたわけではないので、私の妄想と言って過言ではないのだけど。
Princeはこの頃になるともう「その瞬間の集金を最大にする事やファン数やヒットチャート上位を意図しているんではない」と。別の意図から結果的に多くの集金やファンやチャートを得たりする事はあったかも知れないが、それが目的ではなかった事が読み取れた。では、そうではないPrinceの意図とは?私が感じた事を上手く書けるかどうかわからないけれど、試してみたい。


それは、曲を聴いた人に「自身の人生を生きている事を感じさせる」事。聴いた人が「自分の人生が他人の意図に使われていないか?」「今の自分は自分の人生を生きているだろうか?」と思わすような音楽。最低限「もう一回この曲が聴きたい!」でもいい、それでも聴いた人自身の欲求を呼び覚ました事になる。Princeはたくさんの曲でたくさんの切り口を試している。それでいてまたさらに新曲を作る事はさらに切り口を増やし、かつ時代に合ったものを作ろうとしている。そして聴いた人が自身の欲求を持つ事は不可逆の覚醒である。一度目を覚ました人はまたそれ以前に戻る事は出来ない。自身の欲求を知ってしまったら、もう一度手放す事やその存在を忘れる事は出来ない。Princeは究極的目標として、目を覚ました人を増やそうとしていた。刹那的な集金やファンやチャートなど、さらには技術やスタイルなどなどは目的では無く、各人の夜明け(The Dawn)のためにPrinceは歌っていたと。
 そう考えると「May U Live 2 See The Dawn.」はとんでもない事を言っている事になる。そもそも人は「自分も早く目を覚ましたいなー」だなんて考えているだろうか?また「人は誰しも自分の人生を一生懸命に生きている」と考えるのが社会的に無難だろう。しかし、Princeはそこを敢えて「気が付け、行動しろ」と言った。Princeの表現は私にはこう感じる。
「今はまだ残念ながら強烈な刺激を与えて、人の目を覚まさせなければならない時代。いずれは自然と覚醒が連鎖反応的に起こる時代が来るだろう、自然と雨が降るかのように。その時が来るのを私はずっと待っている。そのために自分は行動している。」

「Princeの2004年のインタビュー記事を読んで」への1件のフィードバック

  1. 追記:Princeの表現活動の目的は決して”ファンの取り合い合戦”では無く、もし言うのであれば”覚醒者を増やす陣取りゲーム”じゃないかなぁと私は言いたかった。

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