前に「ブルース・リーの映画」を7本観たと言う記事を書いたのだけど、それ書いたら「何でそんな急にブルース・リーの映画を何本も観たの?」と何人かから聞かれた。
理由はいくつかあるのだけど、一番大きな1つは実は「ズッと以前から私の心に引っ掛かってた」と言うのがある。それは昔、1997年04月頃の事なんだけど、私の住んでいた近くのビデオレンタル店が当時としては画期的な3日間だけ旧作レンタル100円と言うキャンペーンを行った。それは突然行われて、私はこのチャンスにたくさんの映画を観よう!と思い、行きつけのチャットで「お薦めの映画ありませんか?近所のレンタル店が100円なのでなんでも観ます。」と書いた。その時に挙がったタイトルにはこんなのがあった。
「シンドラーのリスト」「モダンタイムス」「チャーリー」「デモンズ95」「ダンボドロップ大作戦」「カフカ」「ロスト・チルドレン」
私はすでに見た事のある映画を省いてリストを作成し、それを探して見付かった物から順番に見ていき、ついには3日間で20本弱の映画を観た。しかし、実はリストを作る時にお薦めとして聞いたのに省いたジャンルがあって、それが戦争物とカンフー物だった。
お薦め映画を聞いた時に思ったのが、固定のジャンルで推薦する人が多いと言う事で幅広いジャンルで映画を紹介してくれる人は少なかった。ある人はドキュメントばかりで、またある人は戦争物ばかり、SFばかりの人もいた。その中で1人「映画と言えばリー様ですよ@アタァ@」と言う人がいたのだ。「リー様って誰?」と聞くと「ブルース・リー様のことですよ@アチョー@」とその人は言い、いかにブルース・リーの映画が興奮出来るかを語るので、当時カンフー映画や戦争映画を乱暴な物と考えていた私はそれを避けてしまったのだ。
それから月日は流れ、またブルース・リーが私の目に入ってきたのは去年のリズボクのジムでのイベント「TU WORLD」の時だった。その時の移動のバスの中でリズボクの金沢のインストラクターのひとりが「ブルース・リーマニア」であると知って「これは一度観てみねば!」と思った。それ以前に、しょこたんがブルース・リーが好きと言うのも知っていたのだけど、同時にジャッキー・チェンなどが好きとか言っていたので、これがきっかけに「観よう!」という気持ちにはならなかった。今の話題と関係無いけど、しょこたんが「ゲームボーイカラー版のドラクエ3最高!」とか言ってた時は、私はめちゃめちゃそのドラクエ3がしたくてたまらくなった。って本当に関係無いなぁ。
そうこうして、私は7本のブルース・リーの映画を観たワケで、ブログにもそれをネタにしたのだけど、最初に私に「ブルース・リーの映画」を薦めてくれた人には今はもう音信普通のため「観たよ!」と伝えれていない。また連絡が取れたら最初に「G.O.D観たか!?」じゃなかった「ブルース・リーの映画観たよ!」と言いたい。
実際、薦められた当時に私がブルース・リー映画を観ていても強烈なカンフー映画としか映らなかったかも知れない。今はリズボクをして、基本姿勢や動作を知ったのでブルース・リーの動きが奇跡的にスゴイ事が分かったけど、その当時では「ただ単にハイテンションでスゴイと」か「ストーリーに脈絡が少ない」とか「手段を選ばない攻撃がスゴイ、急所攻撃とか」言う感想になってたかも知れない。今はブルース・リーのインタビューやドキュメントまで観たので私の中ではブルース・リーを良く理解しているつもりだ。
ブルース・リーにはプリンスやデビッド・ボウイのように途方に暮れるほどの作品数があるわけでないが、どれも共通した物がありまたその背景には武道家としてのブルース・リーがあったので非常に理解しやすかった。また、それらを解説してくれている本やWebサイトもたくさんあって非常に助かった。こんな事を書くのは勇気がいるが、私はブルース・リーが映画にこだわったのは、そこに自身が理想とする武道家を描く事が出来ると考えたからだと思った。氏自身はもちろん武道家として確かにスゴイ存在だったと思うが、その完璧さを超えたキャラクターを映画の中に作り出せるのがまさしく彼にしか出来ない業だったんでないかと思う。それで、氏はいくつかのきっかけを掴んでからは強烈に自分の描きたい武道家を描いているように思う。「ドラゴンへの道」や「燃えよドラゴン」そして作成途中だった本来の「死亡遊戯」がそれに当たる。氏の死後に作成された「死亡遊戯」は全然話にならない内容だが、撮り貯めてあった内容を編集した「G.O.D」はまさにブルース・リーの思想の真髄を語っていると思った。変な声だけど。ラストの「Game is over!」と氏が叫ぶシーンは、未だに氏の真意をあれやこれや考えるゲームに夢中の人の耳にも届いたと思う。そして、階段を下りるシーンで、氏が次のレベルの目的に向かった事を確認出来たと思う。まさにこの映画がブルース・リーにとって必要な映画だったと私は確信している。そして、もし氏が生きていたなら、この次に映画を作るかどうか?とさえ考える。もし作ったとしても、それは本当に次のレベルのテーマを扱っただろうと思えてならない。
企画中だった盲目の武道家の時代劇は多分まだそれ以前のテーマの映画になったと思うが、もしかしたら、、、とも思う。
ちなみにその私に最初にブルース・リーを薦めてくれた人も、ブルース・リー体型の人なんだけど、この人はなにかそんなトレーニングをしてたのかな?と今になって思う。超ハイテンションの彼は今どこで何をやってるんだろう??オンラインゲームが好きだったけど、今は「ときめもオンライン」とかしてないかな?いや、「リネージュ2」をやって「ホァー@しょこたんもリー様が好きとは@@イケル@」とか言ってるかな?