技術カテゴリを選んで、数学の話をしてみようと思う。
私は数学が好きだ。
なんで、好きかって言うとそれは、あのアインシュタインの意見と同じなのだけど、
「他の分野では研究が進むことにより、
以前の結果が覆される事があるが、
数学ではそれが数学の性質上ありえない。」からだ。
数学の分野での真理とされた事柄は時代を超えて、真理として伝えられる。
で、私は生来ケチで、恒久的な物が好きで、無駄が嫌いなので、すべてその反対をいく数学が好きだ。
具体的な話をすると、ずばり私が最初に数学に関して「これは価値がある!」と思ったのは、
「多項式 f(x) が、 f(x) = 0 の解に複素数 a + bi を持つ時、 a – bi も f(x) = 0 の解である。」
と言う定理の証明を見たときだ。
これはどーいう事かを、まるで全く数学から離れている人に今から全部書いてみたいと思う。
嘘。
そんな大変な事を、わざわざ書かない。
でも、これについて、思うところを書いておこうと思う。
とりあえず、[複素数]ってのは、普通の[実数]って[数]に、[虚数単位]の i で拡張したものだ。
[実数]は2乗すると必ずプラスの値になるが、この[虚数単位]の i は2乗すると、 -1 になると言う[実数]ではありえない[数]だ。
で、これを使って、[複素数]とは、a, bを[実数]とし、
a + bi
と言う形で表現される物が[複素数]だ。
ちなみに、高校数学の範囲だ。
個人的には計算の楽しみを味わえるとっても面白い範囲だと思う。
で、この[複素数]を使うと[計算]が楽しめる以外に何が良いのかと言うと、例えば、
x2 – 2x + 2 = 0
は[解]は[実数]の範囲では[解なし]だったのだけど、
[複素数]の範囲では[解]を持つのだ。
なんかもー疲れてきたけど、上の左辺に[解]である 1+i を入れてみよう、実際に 0 になるから!
で、こんな場合、絶対に 1-i も[解]に決まってるじゃん!と主張しているのが上の[定理]だ。
やっぱり、 1-i を x に[代入]して[計算]してみて欲しい、[私の計算が正しければ] 0 になるから。
一応、この知識は高校でも習う。
しかし、この[証明]は私の行っていた高校のレベルでは全然、やってくれなかった。
サラッと流した。
でも、物凄く重要で、[数]の神秘を感じる点がここにあると思う。
ちなみに、 a + bi に対して、 a – bi は[共役複素数]と呼ばれる。
これも高校の範囲でこのように習うが、よく考えてみるとこれは全然はっきりした[定義]になってない。
でも、あんまりこれのハッキリした[定義]って見た事がないので、
ここでは改めて書いておきたいと思う。
「共役複素数とは、関数 f(x) の f(i) の値に対する f(-i) の値で f(i) の値と異なる場合である。」
はい!ここ注目するとこです。
こんなすごい事書いてる本もWEBもちょっと無いですよ。
つまり、b≠0で、
f(x) = a + bx
だとすれば、 f(i) と f(-i) はそれぞれ、
f(i) = a + bi
f(-i) = a – bi
となり、なんか感覚的に高校での[定義]に一致する。
これは、いい定義だ。
なにより、簡潔で漏れが無い。
ちなみに、b = 0 だと[実数]の場合なんだけど、 f(i) = f(-i) になる。
で、この場合はざわざわその値を指して[共役複素数]とは言わない。
だってほら、[複素数]を習う前に[共役複素数]なんて、習わなかったでしょ?だから。
しかし、高校での[定義]では、値が複雑な式になっていたり、[変数]が入っていたりすると、求めるのに迷うのだ。
つーか、全然[定義]がなってない。
b≠0 すら漏らしている。
a + bi に対する a – bi って言われても、そのどこに注目しているのか、さっぱり分からない[定義]である。
ヒドイもんである。
もしこの授業を聞いていた高校生が全員私だったら、最初に書いた信念を持っているので、「数学の先生がいい加減な事を言うなや、ボケェ!」と一気に学級崩壊すらしかねない。
と言うか、もともと半数が学校に来てないだろうし、学級閉鎖?
ともかく、[複素数]の[定義]は私が上に引用でくくったアレである。
もしわずかな可能性だが、身近に受験生がいる人は、この事を受験生に伝えて欲しい。
まだ、夏休み前だから、大丈夫さ。(?
話がそれて、もうワケが分からなくなりつつあるが、なんだったかな。
そうそう、[多項式] f(x) = 0 の[解]の話だ。
[多項式]ってのは、角田多幸と言う偉い数学者の先生が考えた~、と言うのは嘘で、[数列]{a0, a1, ・・・, an-1, an}を[実数]とし、 n を 1, 2, 3, 4 みたいな[自然数]とした時の、
f(x) = an*xn + an-1*xn-1 + ・・・ + a1*x + a0
こんな形に表される式の事だ。
これを書くだけでだいぶ時間がかかった、しかもanの添え字の数字の順番は逆のが一般的だったかも知れない、そうだったらごめん。
で、その f(x) が、 x = a + bi を[解]に持つってのは、
f(a+bi) = 0
が[成り立つ]事を言う。
例をあげて「こういうことね」と言いたいがこれもまた、大変だしなぁ、、、と、簡単に書ける例を上の方から持ってくる
f(x) = x2 – 2x + 2
を例にしよう。
ここで x に 1+i を[代入]すると
f(1+i) = (1+i)2 – 2*(1+i) + 2
f(1+i) = (1+i)*(1+i) – 2*(1+i) + 2
f(1+i) = 1*(1+i) + i*(1+i) – 2*(1+i) + 2
f(1+i) = (1+i) + (i-1) – (1+i) – (1+i) + 2
f(1+i) = 1 + i + i – 1 – 1 – i – 1 – i + 2 = 0
どうよ?私はめちゃ疲れたよ。
で、こんな場合、 f(1-i) = 0 だって?[定理]から。
「ええぇ、本当に!?」って思わない?
なんの根拠も無いじゃん!みたいに。
でも、それを裏付けてくれるのが、[数学]の[証明]なんだなぁ。
それでは、例はもう忘れて、
f(x) = an*xn + an-1*xn-1 + ・・・ + a1*x + a0
とする。
そして、 x = a+bi の時に f(x) = 0 が[成り立つ]とする。
つまり、こう。
f(a+bi) = 0
だ。
ここで、アイデアを使って、 g(x) って[関数]を導入する。
g(x) = f(a+bx)
と置く。
そこで、 x = i を代入してみると、
g(i) = f(a+bi) = 0
だ。
肝心なとこだけ抜き出すと、
g(i) = 0
だ。
そしたら、これの[共役複素数]を考えてみる。
g(-i) = 0
0 は[複素数]じゃなくて0 は 実数なので、無理に a+bi の形に書いても、
0 = 0 + 0i
なので、 0 の[共役複素数]を考えても 0 だ。
む!て、事は、
g(-i) = f(a-bi) = 0
ええぇ!
f(a-bi) = 0
ああっ!いきなり証明出来ちゃってるよ!
多項式 f(x) が 複素数 a+bi を解に持てば、 a-bi も解だよ!お母さん!(T_T)
シビレタ?どうよ、[数学]どうよ?シビレなかった?
これは、ディベートでも、テクニックでも、マジックでもなんでもなくて、ロジックなんだなぁ。
当時、私はこれに完全にシビレタのだ。
なんだかんだ言って、結局結構きっちり書いてしまったが、数学をから離れてしまってる人にはチンプンカンプン?
これ以上、こと細かくは私には無理なので、それは他のサイトに任せるとするよ。
とりあえず、数学用語は [ ] でくくっておいたので、”今井数学”以外のサイトで、見てみてね。